福岡大学 研究推進部 産学官連携センター

ホーム イベント・セミナー「福岡大学 新春産学官技術交流会2020」<1月14日(火)開催>

イベント・セミナー

「福岡大学 新春産学官技術交流会2020」を開催しました

 2020年1月14日(火)本学中央図書館多目的ホールにおいて「福岡大学 新春産学官技術交流会2020」を開催しました。企業や行政機関、各種団体等、学内外合わせて80人近くの方々にご参加いただきました。
 基調講演では(公財)北九州産業学術推進機構理事長 松永 守央氏をお迎えし、「人口減少時代に生き残る大学の機能と役割 ~研究と産学連携を中心に~」と題して[1.激動期の世界と日本の弱み 2.人口減少時代:大学に課せられた役割 3.日本に必要な改革とイノベーション 4.世界を変貌させつつある技術革新 5.産学官連携(研究開発)によるイノベーション]の5つの項目に沿って、激動期を迎えた世界を生き抜くため “抜本的な制度や社会システムの変革” の必要性を語っていただきました。
 本学からは、下記4件の研究シーズを紹介しました。
 多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。本年もより一層社会のニーズに応えるべく、新たな研究シーズの発信を続けます。

基調講演 松永 理事長
会場の様子
シーズ発表 八尾 教授
樋口 教授
角田 准教授
大橋 教授
「廃プラスチック問題の解決を目指す ~高度リサイクル技術の開発~」
産学官連携センター長 工学部 化学システム工学科 教授 八尾 滋

海洋汚染などで注目されている廃プラスチックを有効利用するため、高度な再利用技術の構築を提案。成形条件を最適化することで新品並みの回復が可能となること明らかにし、溶解樹脂溜まりを設置したペレタイザーを使用する高度マテリアルリサイクル技術を紹介しました。

「環境ビジネスの取り組み事例の紹介」
資源循環・環境制御システム研究所長 工学部 資源循環・環境グループ 教授 樋口 壯太郎

環境モデル都市を掲げる北九州市にある資源循環・環境制御システム研究所における研究事例を紹介。土壌汚染対策としてダイオキシン類分解技術や脱塩処理技術、廃棄物処分に伴い排出される副生塩の再利用システム、汚染土壌の洗浄処理技術など、廃棄物を不用物ではなく潜在的な資源として捉え、今後も研究を続けます。

「難治性腫瘍に対する副作用の少ない抗がん剤」
先端分子医学研究所 医学部 細胞生物学 准教授 角田 俊之

3次元培養法で正常部と癌部を同じ遺伝子背景下で比較するモデルを確立し、これを利用したスクリーニング法を構築。多種類の癌細胞に効果があり、実際にマウスにおいて副作用なく抗腫瘍効果を示す化合物を同定。臨床治験を目指しています。

「新規レーダ技術の研究開発 ~自動運転社会への貢献~」
工学部 電子情報工学科 教授 大橋 正良

現在研究開発中の新しいレーダ技術を紹介。自動運転時代には、速度や位置が異なる数多くの移動物体が行き交う状況を正しく把握する必要があり、この技術を用いると正確に素早く位置計算ができます。車載レーダーにとどまらず適用範囲は広く、今後の実用化に向けてさらなる研究を進めます。